経営のヒント

―急激な環境変化への対応【新型コロナ対策】(その2)―

(その1)では、急激な環境変化で将来が見通せないときに、まず初めにやるべきことは「守りを固めること」だとお伝えしました。

今回は、新型コロナ対策として新たな事業を検討する際の視点のいくつかをお伝えします。ただし、具体的な状況は業種・業態などによって様々であり、今後どうなるかも不透明です。そのため、あくまで検討の「切り口」ととらえてください。

1つ目は顧客の視点です。

時間のある時であれば、既存顧客、潜在顧客、新規顧客など、幅広い顧客のそれぞれを対象に検討できますし、その方がアイデアの幅は広がります。しかし、検討に時間をかけられない現在の様な状況であれば、まず、既存顧客の困りごとや不安などを直接聞いて、自社で解決できることがないかを検討します。

現在、様々な方の困りごとや不安などが報じられています。しかし、これらの情報は一面を切り取っている、大衆へのインパクトを考えて取捨選択されていることが多いと思います。そのため、これらの情報には不足や偏りがあることも考えられます。

急激に環境が変化している場合には、世間の情報に惑わされず、正確な情報に基づいて判断することが重要です。その点で、関係を築いている既存顧客の生の声は、最も信頼性が高く価値の高い情報といえます。

2つ目は、自社が持っているものの視点です。

自社のスキルや設備、協力企業や関係企業などを活用して、誰かの困りごとや不安を解消する事ができないかを検討します。

これまで時間とお金を掛けてやってきたこと、信念や情熱をもってやってきたことがあると思います。そして、その結果生まれたものが現在の商品やサービスです。それらの培ってきたものを誰かの困りごとの解決に活用できないかを検討します。

検討するのは二つです。一つは現在の商品やサービスはそのままで、届ける相手を変えることで困っている方々の役に立てないかです。もう一つは自分たちの持っているものを使って困っている誰かを助ける商品やサービスを生み出せないかです。

3つ目は、継続と中長期の視点です。上記の2つの視点とは少し異なります。考えた事業が自社にあっているか、また継続できるかという視点です。

短期的なキャッシュ確保を目的に事業を始めざるを得ない事もあると思います。その場合でも、自社の方向性と合致しているか、将来への布石になるかなどの中長期の視点を盛り込んだ事業とすることが重要です。

中長期の視点とは、顧客の持っているイメージを壊さない、既存顧客との継続的な関係を強化する、新たな顧客層を獲得するなどの視点です。

例えば、飲食店がテイクアウトを行うのであれば、トレーや品揃えなどを自店のイメージ(落ち着いた、カジュアルなど)に合わせる、顧客への感謝の気持ちとともに割引クーポンを添える、新たな顧客層に届くように店舗以外の場所で販売するなど、が考えられます。

継続の視点とは、言葉のとおり事業が継続できるかどうかという視点です。

自身があまりやりたくない、将来的に収益の柱として見込めない事業を始めると、精神的にも肉体的にも疲弊してしまいます。疲弊すれば日々の改善や将来を見据えた取り組みを進めることが難しくなります。

対応に追われて大変な思いをしている方も沢山おられると思います。そんな方々が一瞬立ち止まり、事業を再確認するお手伝いになればと思い、述べさせていただきました。

なお、ここでは新型コロナ対策として、新しい事業を始める際の視点に絞って記載しました。しかし、経営環境の変化は今回ほど急激でなくとも起こります。変化に対応するために、既存事業の革新や新規事業などは常に考えておく必要があります。

次回以降は、事業変革における発想の視点についてお伝えしていきます。

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