経営のヒント

―新事業の進め方(その1)―

スピード感をもって始め、走りながら考える新事業の進め方の主なポイントは以下のとおりです。

(1)「対象顧客」と「その顧客の求めるもの」の“仮説”を常に意識する

(2)小さく始める

(3)状況に合わせて変化する

今回は、(1)「対象顧客」と「その顧客の求めるもの」の“仮説”を常に意識する、についてお伝えします。

商品やサービスは、供給体制(材料仕入と製造、販売員の育成など)、販売促進、販売場所など、提供するための仕組みが必要です。新しい商品やサービスでも、この提供する仕組みを考える必要があります。

そのためには、まず、既存事業で培ってきたもの(ノウハウや設備、店舗、関係企業など)をベースに検討することになると思います。しかし、新事業は「対象顧客」や「その顧客の求めるもの」のどちらか、または両方が既存事業とは異なっています。

新事業の仕組みを構築する際には、既存事業で培ってきたものをベースにしつつ、「対象顧客」と「その顧客の求めるもの」に対応するためにはどこをどのように変えれば効果的かなどを検討し修正していく必要があります。

極端な例ですが、客単価4千円の飲食店で、1本3万円のワインをメニューに加えても販売数は限られると思います。これは「対象顧客」と「その顧客の求めるもの」が既存顧客と異なるからです。1本3万円のワイン販売を始めるなら、それらを求める顧客が集まるフレンチレストランに営業するなど、販売先を変更する必要があります。

また、広告宣伝でも、若者を対象顧客とする場合にはSNSの活用が考えられますし、高齢者を対象顧客とする場合には、新聞折り込みやチラシの配布などが効果的かもしれません。

このように、商品やサービスを提供する仕組みを構築する際には、すべての段階で「対象顧客」と「その顧客の求めるもの」を意識して行うことが重要です。

ただし、(3)状況に合わせて変化する、で詳しくお伝えしますが、これらはあくまでも新事業の開始時に設定した“仮説”です。そのため、事業を進めていく中で変更が必要になることもあります。

走りながら考えると言っても、闇雲に走っていては効果的ではありません。仕組みを効果的・機動的に修正・改善するためには、「対象顧客」と「その顧客の求めるもの」の“仮説”を常に意識しておくことが重要です。

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