経営のヒント

―新商品やサービスの開発手法【デザイン思考】(その2:問題定義)―

デザイン思考は顧客を深く理解することで、新しい価値を生み出そうとするイノベーションの方法論です。「共感」「問題定義」「創造」「試作」「テスト」の5つのステップで構成され、対象とする顧客との対話によって理解を深め、アイデアなどを修正しながら進めていきます。5つのステップは順番に進めるだけでなく、顧客に対する理解が不十分と感じれば、前のステップや最初のステップに戻るという試行錯誤を繰り返します。

 

 今回は「問題定義」のステップについてお伝えしていきます。

 問題定義とは、共感で得られた顧客や顧客の周辺環境から得た様々な情報を整理・分析して、そこから解決すべき問題の焦点を絞り定義することです。共感のステップで見つけた新しい発見を、今までになかった新しい視点で捉えなおし、解決すべき問題として定義します。

 

問題定義のためにすることは「全体像の把握」「顧客ニーズの理解」「インサイトの抽出」です。

【インサイト:本人も気づいていない驚くべき事実や、外からは判らず本人も意識していない潜在的な心の動き】

 

「全体像の把握」では、個々の具体的な事実だけに着目するのではなく、それらの事実が起こる共通の理由やパターンなどを見出します。

「顧客ニーズの理解」では、共感で見つけた顧客の行動や発言などの事実から、その事実を統合して解釈できる新しいニーズを設定します。

「インサイトの抽出」では、全体像や顧客ニーズを踏まえて、これまで自分たちが見落としていた視点を言葉に表します。例えば、自分たちが事前に想定していた顧客の日常と、共感によって見えてきた顧客の様子のギャップについて考えることなどが、インサイトの発見につながります。

 

例えば、MRI検査の際に泣いてしまう子供を減らすためにどうすればいいかという事例をご紹介します。

この事例では、共感によって「子供たちの多くは冒険が好き」ということを導き出し、「泣かないようにするにはどうすればいいか」ではなく「MRIを冒険のようにするにはどうすればいいか」と問題定義しました。

その結果、テーマパークのアトラクションの様なストーリー仕立てのMRIを使って泣いてしまう子供の割合を大きく減らしました。

 

 このように解決すべき問題を適切に、そして明確に定義できれば、これ以降の解決に向かうステップをスムーズに行うことが出来ます。

 

(出典・抜粋:デザイン思考研究所HP)

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