経営のヒント

―新商品やサービスの開発手法【デザイン思考】(その5:テスト)―

デザイン思考は顧客を深く理解することで、新しい価値を生み出そうとするイノベーションの方法論です。「共感」「問題定義」「創造」「試作」「テスト」の5つのステップで構成され、対象とする顧客との対話によって理解を深め、アイデアなどを修正しながら進めていきます。5つのステップは順番に進めるだけでなく、顧客に対する理解が不十分と感じれば、前のステップや最初のステップに戻るという試行錯誤を繰り返します。

 今回は「テスト」のステップについてお伝えしていきます。

このステップは、「試作」したプロトタイプを実際の場面と同じように扱ってもらい、解決策の再定義や改善につなげていく段階です。そのため、ここで得られた気づきに基づいて、素早く「試作」に戻ってプロトタイプを修正し、再度テストするという繰り返しを実行します。

 テストをする目的は、「プロトタイプと解決策を改善するため」「観察と対話を通じて顧客とより深くかかわるため」「解決策を正しくとらえていないだけではなく、その前段階の問題定義が正しいかを確認するため」です。

テストは(その1:共感)でお伝えした“観察”と“対話”を行い、ユーザーからの共感を高める時間です。テストは以下のように実施します。

・言うのではなく見せる:最初からすべてを説明せず、ユーザーがプロトタイプを解釈する時間を設けます。彼らがプロトタイプをどう使うか(誤用するか)、どう扱いどんな反応をみせるか観察します。そして、彼らがプロトタイプについて言ったことや彼らの質問を聞きます。

・経験を生み出す:ユーザーに評価してもらうための説明資料としてではなく、ユーザーがいきいきと反応できる一つの経験として、プロトタイプを作ってテストします。

・ユーザーに比較を頼む:ユーザーが基準を比較できるように、複数のプロトタイプを試してもらいます。比較することで、しばしば潜在的ニーズが明らかになります。

一通りテストを実施した後に、テストによって得られたユーザーからのフィードバックを整理します。例えば、プロトタイプの良かった点、改善点、疑問点、新しいアイデアといった形で整理します。そして、強化すべき機能、削除すべき機能などを決めます。また、フィードバックが当初想定したものと違えば、全く違う方向に切り替える必要も出てくるかもしれません。その際には、ここまでの想定や作業に固執せず、全く違う方向性で共感(その1)からやり直す必要があるかもしれません。

(出典・抜粋:デザイン思考研究所HP)

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